76度目の終戦の日を迎えて

「平和」の重要性を共有する日

 今年2021年も8月15日がやって来ました。先の大戦で亡くなられた全ての方々に対し、謹んで哀悼の誠を捧げます。
 日本がポツダム宣言を受諾し、内外に連合国軍への降伏を表明したのが今日のことです。それから76年。先の戦争を経験された方が次第に少なくなる中、「戦争は過去のもの」と割り切って、日本が持つべき深い悔悟の念を「自虐」と捉える見方が強まりつつあることは懸念すべきことです。

JR三ノ宮駅西側の高架橋にて
機銃の痕が今も生々しく残ります

走れるのも平和だから

 今、私が不自由なく走ることに力を注げているのも、日本が曲がりなりにも平和を保てているからです。戦争を「過ぎ去った出来事」という文字列でのみ捉えるようになれば、間違いなく忌避感は薄くなり、「手段として排除しない」と言い出す勢力が増長する可能性があります。それはあってはならない、と個々が認識し、「今を戦前にしない」という決意が必要です。

 今年も上げた三ノ宮駅の機銃掃射痕。阪急神戸三宮駅の焼夷弾痕と共に、何の説明書きも無く76年間駅を見守っています。今年に入り、阪急の駅前には2代目のビルが建てられ、新しいエントランスが出迎えてくれます。時を経て「変わるもの」と同時に、「変わらないもの」が残ることは、「絶対に戦争を起こすな」という過去からのメッセージに他なりません。襟を正し、これに向き合うことを求められている以上、それに応えるしかありません。