ギリギリの模索か、早めの撤退か

大会の行く末は如何に

 2年前に出走し、今年の第24回大会にも出走予定である「村岡ダブルフルウルトラランニング」。
 この大会が開かれる香美町は兵庫県内屈指のスピードでワクチン接種が進み、65歳以上の方では9割、全体でも約6割が既に接種を終えています。県全体でも緊急事態宣言の当面の終期である9/12までにどこまで進むかが焦点です。

 目下、26日に宣言が解除されていれば実施予定との方針は堅持されていますが、厳しい状態が続いているのは確かです。しかし、コースが特殊であり、展開として単独走となる場面が少なくないことは開催において一考すべきところです。

収まる気配のない第5波

 しかし、今回の第5波は収まりを見せません。昨日も兵庫県では新たに1025人の感染確認がありました。
 斎藤知事は就任当初「宣言効果は薄い」、と宣言発出の前に重点措置拡充での対応を図りました。就任第1週の時点で既に新規陽性者数は400人超となっていて、ここで宣言の要請をしないことが妥当だったか、事後の検証は必須でしょう。「出し遅れ」と認められれば厳しい指摘は免れません。

早期撤退か、ギリギリの模索か

 丹後ウルトラマラソン、横浜マラソンなど、各大会では「中止」を早々と決めたものも目立ちます。「100%のおもてなし」「応援ありの活気ある大会」の姿を追い求め、結果的に手足を縛られる状況に陥る是非も問われます。走る側としては「今年は大会なし」と割り切って他大会への参加を検討する余地が出来ます。
 一方、ギリギリまで模索し、「宣言が出ていなければ開催の方向で動く」との姿勢は、中止判断を下すのが直前になることが問題となります。予定が急に消えても、よほどのことが無ければ代替レースへの出走が叶う訳でもありません。大会側も難しい選択を迫られ続ける状況はランナー目線でも苦しい限りです。

 ランニング文化、マラソン界の発展はエリートランナーの強化錬成のみならず、「生涯スポーツ」の裾野を広げ、健康で文化的な生活には欠くべきでない要素の一つです。今はCOVID-19禍の落ち着き、大会側の苦しい選択からの解放を祈ると共に、小規模化など様々な方向性を大会側も検討の俎上に載せてもらいたいと願うのみです。