奈良と大阪、「ランナーを向いた」大会は?

12000人→8000人となった奈良

 7月に入り、各地のマラソン大会の行方が焦点となっています。そんな中、奈良マラソンも2021年大会の要項を発表しました。

【奈良マラソン大会HP】大会要項

 今大会の2019年大会からの変更点は次の通りです。
  1. 参加者数の削減(12000人→8000人)
  2. 10km種目休止、フルマラソンへの種目一本化
  3. 制限時間の厳格化(号砲から6時間半→号砲から6時間)
 制限時間を切り詰めることは、ランナーの数を絞る上では必要となる対策と言えます。今回の奈良は「5時間半でフルマラソン完走可能な走力があること」が条件です。すなわち、「練習して実力が伴ってから来るように」とのメッセージと言えます。
 この手の大会は、関西だと「丹波篠山ABCマラソン(制限5時間)」ぐらいしかありません。篠山ABCもCOVID-19対策のウエーブスタートで今後は実質的に制限時間は4時間半まで切り上がる可能性があります。当面は、「資格記録の厳格化」でランナー数を絞る対応をせざるを得ない状況が続くものと考えています。

「びわ湖毎日」との統合決まった大阪

 一方、大阪マラソンは、例年3月初旬に開催されていた「びわ湖毎日マラソン」と統合され、2月末に移されることが決まっています。東京マラソンの1週前に被せてきたスケジュールは、COVID-19禍が明けた後はランナーの動向に影響するのでは、と見ています。
 しかし、大阪マラソンは定員2万人と大盤振る舞いする上に、参加料も24000円(チャリティー募金2口含む)と奈良マラソンの1.5倍。スタートブロックの分類も詳細待ちですが、ブロック単位のウエーブスタートとしなければ、スタートの混雑は解消されない人数と言えます。

【大阪マラソン公式HP】第10回大阪マラソン・第77回びわ湖毎日マラソン統合大会要項

ランナーの方を向いた大会を求める

 予算の都合等厳しい条件は多々あります。しかし、「ランナーファースト」でない大会はいずれ選手からそっぽを向かれる結末しかありません。今年10月の東京マラソンの対応は、平時では考えられないお粗末さです。手厚くもてなせ、とは言いません。最低限、ランナーが憂いなく走れる環境を整えて頂きたい、と強く思います。