「大会開催」の合意が作れない状況に

緊急事態宣言は延長か

 COVID-19の感染拡大が止まる気配はなく、兵庫県も月曜日に曜日として最多の344人の新規感染が確認されました。井戸知事も、「緊急事態宣言の延長要請」を示唆し始めるなど、状況が芳しくないまま、宣言の一応の期限である11日まであと1週間まで来てしまっています。

11月の「つくば中止」に思うこと

 医療の危機がニュースを通じて伝わっている昨今。オリンピックの開催に対しても風当たりが日に日に強さを増しています。オリンピックの中止論が出る中、マラソン大会が出来るはずもなし、というのが実際の状況です。先日は11月の「つくばマラソン」が中止を発表しています。

【つくばマラソン 公式発表(4/30)】第41回つくばマラソンの開催中止について

 つくばマラソンの大会事務局によると、県内のランナーは全体の25%、残りは県外、特に東京、千葉、神奈川といった近県からの参加が大半を占めるとのことです。大会の運営上、参加者を絞ったとしても、これら近県含め全国から人を呼ばない限り収支が釣り合わない、としています。すなわち、防府読売マラソンのように、メディアがバックに付き、財政面を支える大会でなければ「県内限定」で開く、という選択は取らない、ということを示唆していると言えます。

 もう一つは、「筑波大学が使用許可を出すかどうか」というところです。現状の深刻な状態が続く限り、ランナーとは言え、大学内に学外の人を入れるのは困難、と言えます。これはつくばマラソン特有の事情とも言えるので、酌むべきところではあります。大学としても、リスクを引き受けて場所を貸す、ということに踏み切れないのはやむなし、と考えています。

合意形成は当面茨の道か

 今回のCOVID-19の感染拡大を受け、オリンピックを始め、様々なスポーツ大会の開催に対して厳しい視線が注がれる状況にあります。とはいえ、元来、スポーツは健康で文化的な生活の一翼を担うものです。
 そんなスポーツに打ち込む選手に必要なのが力試しの舞台です。ワクチンが出回る見通しもない中、収支が釣り合わない、持ち出しばかり増える、という金銭事情による中止、廃止例もあります。しかし、それ以上に感じている懸念が、「大会開催への反感が強い」「収束がいつになっても見通せない」という事情によって廃止に追い込まれる大会が今後増えることです。「不要不急のイベント」として槍玉に挙げられているのは、ランナー界隈の末席に座る私でも感じています。
 合意形成が取れない状況は、COVID-19がワクチンによって落ち着きを見せても残る可能性がある、と思います。その声はこれまでも小さいながらありましたが、ロードレース大会(駅伝、マラソンなど)は交通規制等様々な制約を伴って開かれているため、市民マラソンを中心に「大会開催反対」を訴える向きが強まる可能性があると言えます。当然、これが杞憂に終わって欲しい、というのが願いです。