「防府読売」式を採ったとやま清流マラソン

5月16日、北陸3県のランナーを対象に開催

 5月16日、富山市内の神通川河川敷を舞台とし、川内優輝選手の夫妻をゲストランナーとして招いて開かれた「とやま清流マラソン」。対象を「富山県、石川県、福井県在住者」に限り、先着500名でランナーを募集していました。実際には富山県内のランナーの方々が全員、ということになりました。この限定開催は、防府読売マラソンのそれを彷彿とさせます。

【第18回とやま清流マラソン開催要項】

 大会後、川内優輝選手は、市民マラソン開催に関して以下のようにツイートしています。
 これは私自身、全く同感です。現状、一般からの「無言の圧力」の前に跪かせることを良し、とする風潮があると思います。しかし、現状では主催者に対して「禁止」を命令可、とする権限を政府も自治体も有しません。これは、権利への強い制限を伴うことから、行政として踏み込めない、ということにあります。すなわち、「中止条例」を作った場合、中止せよ、との世論が根強くなって、オリンピックとその関連イベントへの影響が懸念され、その帰結として「踏み込まず」に至っているように思います。

「大風呂敷」を広げる大会は論外

 とはいえ、大風呂敷を広げ、「参加者1万人」などと、COVID-19は秋までに「過去のもの」となる、と見通す大会は「甘い」と言わざるを得ません。東京マラソン2021も、感染対策と称して「手荷物預け廃止」「DNFした者は電車で帰れ」とあまりにもランナーに冷たいことがランナーの中で知られています。
 私の住む神戸市内で11月に行われる予定の「神戸マラソン」も2万人募集する、との姿勢を崩さないままです。万一、状況が好転しない場合はどうするのか、について検討が十分に為されているか、疑問の余地が大きいままです。

加古川マラソンが「地の利」を活かせるか

 兵庫県内のマラソン大会の内、川内選手が「再開されて欲しい」とする河川敷コースの大会には、加古川マラソンが挙げられます。これは、加古川河川敷の「みなもロード」で全コースが完結するため、関係者の出入りポイントでチェックをかけやすい、という点が特筆すべきところです。COVID-19禍の大会で常々問題となるのが、「沿道の観客」です。コース脇での応援はお断り、としやすいのは、開催において前向きな材料となります。
 今年は加古川市HPからまだ大会に関するリリースがありませんが、ワクチンの状況も踏まえて、例年より遅れて要項が出てくると思われます。そこでどの程度の規模で実施される見通しか、動向を注視していきたいと考えています。