COVID-19の状況、なお暗く

病床の運用状況好転せず

 COVID-19が日本で初確認されてから1年余り。この間、兵庫県内でも4度の大きな感染拡大の波があり、今回の「第4波」では医療危機の深刻化がクローズアップされました。昨日、兵庫県が緊急事態宣言を6月下旬まで再延長する要請を決めました。
  これは、病床の運用率が下がらないことに起因しています。第4波拡大後、自宅での入院待機の例が増えています。感染者数の減少傾向があり、退院が増えても、まずは待機されていた方を病床が整い次第受け入れる状況になっています。5/25の24時現在、700名余りの方が自宅療養を余儀なくされ、これでは宣言解除は夢のまた夢、と言わざるを得ません。

【兵庫県HP】新型コロナウイルスの検査・陽性者の状況

「元通り」にならない懸念

 変異株の脅威はさらに高まっています。今回、ファイザー、モデルナ、アストラゼネカの各社のワクチンが承認済みですが、特にインドで確認された「B.1.617」型の変異に対する有効性は目下研究中、という状況です。効果が薄い、との指摘もあり、変異株に置き換わった結果、ワクチン接種完了=元通りの生活、とならない状況も考えられます。
 神戸市では、市健康科学研究所にて変異株に対応したPCR検査を実施しています。神戸はイギリス型変異株の確認時にも先んじて検査拡大を実現しています。状況ひっ迫により、陽性者の検体の4割程度まで率が下がっているものの、高い割合で変異株に関する検査を実施しているところです。

大会はさらに「狭き門」となるか

 今のところ、マラソン大会が再開される見通しは厳しいままです。さらに、大会への否定的感情が強い中、「強行」と取られてしまえば、オリンピックを巡る一連の轍をマラソンも踏みかねません。徐々に生活様式が戻ったとしても、マラソン大会が2019年以前の様式に戻る日は遠いと言えます。「狭き門」をくぐらなければスタートラインは無い、という方向になるでしょう。

 そこで、選手・関係者が対立を煽り、「何をビビッてるんだ」との態度で臨むことは厳に慎まなければなりません。懸念が広がっている以上、十二分に説明し、疑問点を最大限消していく努力は求められます。それは関係者が一手に負うものでもありません。折に触れてランナーに問いが投げかけられれば、それに答えていくことは必要となるように思います。
 早く大会がもたらす高揚感を味わいたい、と思う気持ちはやまやまです。が、ここで白眼視されてしまえばすべては無に帰します。今しばらく、「密にならない時間を選んで走る」といった基本的な練習スタンスで進めて行かなければなりません。