東京マラソン2021、受付開始へ

3/22から受付開始

 本年10月に開催予定の「東京マラソン2021」。当初予定の3月から10月に移り、権利移行等の手続者などを対象として幅広く募集されるとのことです。今回、大会主催者から出された要項によると、募集は約25000人。先日開催された名古屋ウィメンズマラソン・名古屋シティマラソンがそれぞれ約5000人だったことを思うと、大きく踏み込んでいます。

【東京マラソン2021HP】 大会要項
https://www.marathon.tokyo/2021/about/outline/


 しかし、25000人規模でやれる状況にある、とは到底言えないのが現状です。ワクチン接種の進捗、感染状況の落ち着きを相当楽観的に見積もっているのではないか、と思えてなりません。ここで前のめりになってしまうことが一番危ないと思いますし、慎重な検討を要すべきところだったと思います。

 月刊陸上競技の「月陸ONLINE」によると、これでも規模縮小に当たるそうですが、現下の時勢にそぐうものである、とは言い難い面があるように感じます。一般ランナーに対し、資格審査を施すなどしてさらに規模を抑え、確実な開催を目指すべきではなかったか、と考えています。
 今、大風呂敷を広げて「やっぱり出来ませんでした。皆さん何卒ご理解を」を繰り返しては、COVID-19の経験から大会は何を学んでいたのか、厳しく問われます。

【記事】東京マラソンのランナー募集が3月22日にスタート 定員を25000人規模に縮小して開催へ(月陸ONLINE)

確実な開催実績より、レガシー重視か

 名古屋ウィメンズマラソンは、緊急事態宣言が解除されて間もない時期でしたが、感染対策を万全に施して約5000人のランナーが街を駆け抜けました。こうして確実に開催実績を積み上げ、「大会は出来る」と各地の実行委員会が勇気を持てる状況にしていくことが、マラソン文化のバトンを繋ぐために打てる手だと思います。
 東京で出された「25000人」という数字はこれを無視するような大きな数字だと感じます。そこにオリンピックのレガシーを繋ぎたい、との意図も見えてしまいます。WMMの一部なので、エリートランナーが走る大会として開催はされるでしょうが、市民ランナーが全員締め出されることはあってはなりません。そのためには、「関東圏一円先行エントリー枠」の設定など、地域レベルで確実にランナーが立てる状況を作っておくなど、手の打ち方は色々あったように感じます。

 今、要項が決まった以上は変えることが出来ないため、ここからは状況を見守るしか私には出来ません。言えることは、無事に開催されて欲しい、それに尽きます。