黒部名水マラソンの延期

5月から11月末へ

 今年5月に開催予定だった「第38回 カーター記念黒部名水マラソン」は、11月28日に開催を延期することが正式に決まりました。COVID-19の状況が5月時点で見通せない、ということが理由とのことです。参加人数はフルマラソン5500人、中止となったかすみがうらマラソン同様、「開催決定時に参加料支払い」という形式を取っています。

【大会HP】第38回カーター記念黒部名水マラソン 開催延期について

 実行委員長である黒部市の大野市長のメッセージの中に、「沿道で応援してくださる方々」とあります。あくまでも「沿道で応援出来ない状況が続く限り、大会は出来ません」と読む必要があるのではないか、と思います。11月末時点でどこまでCOVID-19ワクチンが出回っているか、全く見通しが立たない状況である中、医療体制の現状を鑑みると、踏み込んだメッセージを出しづらい状況にあることは酌むべき点が多いと考えています。

富山マラソンと同時期開催に

 一方、富山県のもう1つのマラソン大会である、「富山マラソン」は11月7日に開催されることが予定されています。北陸では、金沢マラソンが富山マラソンの前週に開催される予定であるため、マラソン大会が結果的に秋に集中することになりました。

(富山マラソンHP:https://www.toyamamarathon.com/

(金沢マラソンHP:https://www.kanazawa-marathon.jp/

 これは参加者分散の期待があることから、ある意味ではOK、とも言えるところではあると思います。あとはCOVID-19ワクチンの普及が進むかどうか、ここにかかって来るところはあります。現状、罹患した際の重症化抑制効果に関する知見を得つつある、とのことなので、そこは期待が持てるところですが、秋までに状況好転が見通せる段階ではない、というのが実情です。

「なぜ出来ない」を問い詰めるべきではない

 先日、名古屋ウィメンズマラソンが開催されたことで、中止・延期の判断に対する風向きはより逆風に変わった感があります。「名古屋で出来たんだから出来るだろう」とすることを強いることは望ましいとは言えません。当然、100%規模で開催出来ればOKですが、現実はそう贅沢を言えるものでもありません。
 地方大会では、医療体制への負荷を強いる懸念は都市部以上に強いものがあります。その状況で「出来ないなんて言うな」と大きな声で叫び立てることがランナーとしてやることか、と言いたいと思います。個々の事情は様々である、というところは心にしっかりと留めなければなりません。