マラソンランナー=探求者?

「未知の世界を知る」

 2018年、かつて高校でやっていた陸上競技の世界に戻ろう、と決意して2年半余り。競技復帰後はフルマラソン・ハーフマラソンを中心に、ウルトラマラソンの世界にも片足を突っ込みかけている中の人です。
 2年半走り続けて思ったのが、マラソンランナーとは、ある理想(フルマラソンの例ならサブ3)というターゲットに向け、答えのない道のりを探す「探求者」である、ということ。モチベーションの原動力は、未だ見ぬ世界を知りたい、ということに尽きると思います。私も例に漏れずそのパターンの人間です。

最高の走りを求めて悩むこと

 ランナー界では「ネガティブスプリットが良い」「いや、撃沈上等で貪欲に記録を狙う方が良い」と侃々諤々の議論がしょっちゅう巻き起こります。
 私が記録を狙って突っ込んだ入りをしたレースは全戦全敗、という残念な結果です。「どうやれば粘り込めるのだろう?」という問いが立つくらい、後半に脚を無くして沈むことが少なくありませんでした。
 「やっぱりネガティブスプリット」と決め、奈良マラソン2019でPBの3時間2分49秒を出した時は嬉しかったです。
 当日は、レースのラスト2.195km、競技場手前の上り坂のあるコースを9分11秒で「走り切れた」のが大きな自信となっています。前半は脚を残す意識で抑え過ぎるくらい抑えた走りだったのもあり、あと少し速く行っても良かった、とも思いますが、やれるだけのことをやれたレースになりました。

 それくらい、レーススタイルが決まった後でも「どうやってペース配分して走ろう?」「どこで補給すれば最後の爆発力に繋がるか」「競り合った時に前に出るか、様子見して進むか」など、展開やプランが頭を悩ませることは少なくありません。レースでの引き出しを作るのはやはり「経験」です。
 その後も悩み続けていますが、引き出しを作る舞台が新型コロナウイルスの影響で無くなっているのは苦しい限りです。

悩めることに感謝して、求道する

 こうして、自らが立てた目標に向けて邁進することが出来るのはとてもありがたいことなのだと、新型コロナウイルスの影響下でレースが無くなった今、強く思います。壁にぶち当たり、悩み、苦しみ、答えを導いてぶつける。そしてまた悩む、日々この繰り返しです。「マラソン道」の奥の深さに魅了されると共に、引き続きその道を愚直に進み、極めて行きたいと強く思います。