シューズ新基準、線引きのモヤモヤ感

 おはようございます。

 先日、WA(世界陸連)が発表した「800m以上の種目ではソール厚さを25mmまでとする」という基準。その後、ロードでのソール厚40mm以下基準適合シューズと合わせて、その一覧が発表されました。(リスト一覧
 スパイクはメーカー問わずいずれも中長距離種目基準に合格しましたが、マラソンシューズの基準運用があやふやと言える状況にある、と感じました。
 
 「厚さは速さ」を売りにしていたナイキ社のVF4%、Next%シリーズ、アルファフライがトラックレース使用不可、というのは確かにその通り、と言わざるを得ません。ミズノのウエーブデュエルネオも使用不可とされ、確かに微妙だったからやむなしか、という感想を持ちました。

 ミズノは、いち早く「トラックレースで使用可能なシューズ一覧」を発表しました。(8/12現在のリスト、ミズノHPより)

 発表された基準適合シューズは、25mm基準を満たしていることが一目で分かるソールの薄さです。ウエーブデュエルネオのローカットモデルと比較しても安価なモデルも含まれるので、ミズノユーザーの私がトラックの競技会にマラソン練習の一環で出よう、となればこの辺りから財布と相談して買うことになりそうです。
(アシックスHPより)

 一方、不可解だったのが、アシックスのメタレーサーが25mm基準をクリアした、ということです。写真の見せ方の問題もあるかもしれませんが、見るからにウエーブデュエルネオよりも分厚いソールがあるように見えます。
 しかし、リンクを貼ったリストに載っている「METARACER typeB」含むメタレーサーシリーズのモデルについては、アシックスの商品紹介のページを見ても全くそれらしい記述が見えませんでした。市販のメタレーサーとはどう違うのか。アシックスはプロトタイプを提出し、トラック用に別モデルを用意していくのでしょうか。今後の動向は追いかけたいところです。
 
 いずれにせよ、WAが示したトラック中長距離種目のソール25mm基準は、規制の緩いロード用のソール40mm基準よりかなり厳格に設定されているように映ります。もし、WAが特定の社に有利、あるいは不利な基準を振りかざし、選手や業界を困惑させることは、統括団体の在り方として正しくないと思いますし、その点は厳しく検証されるべきではないか、と感じます。