香住・ジオパークフル、力尽く

2020、2021と2年連続中止


 先日、神戸新聞に「香住・ジオパークフルマラソン」の大会終了の報が流れました。
 記事によれば、参加費と香美町からの補助等で賄ってきた大会運営費の捻出が困難となったことが理由に挙げられています。COVID-19禍に伴い2年連続で大会を開けず、2021年大会がオンライン化したことで参加料を切り下げたことが命脈を左右する結果になりました。

 香美町は市町村合併により3町が合併し、旧町を単位とする「香住」「村岡」「小代」の3地区があります。香住・ジオパークフルマラソン創設により、人口15000人超の町の3地区すべてにマラソン大会がある、という状況でした。
 しかし、今回の判断が下されたことは残念でならないと共に、政府の取っていた対策が違っていれば防げた可能性もあったと考えています。

2020年大会の参加記念Tシャツです
「今度こそ」が叶わぬまま大会が終わることになってしまいました

「体力ある大会」だけが残るのか

 規模の小さい大会になると、「医療体制確保」「感染症対策」といった面で要する費用をペイしにくくなっています。2021年、2022年は開催の意向でも、状況が好転しなければ大会自体が終わってしまう例は今後も増えるでしょう。

 そうなると、残される大会は公認・非公認に関わらず、「開催体力十分」な都市型大会だけになる未来も遠くないのかもしれません。それはマラソン界の「大会を通じて地域を元気に」というところからかけ離れてしまうのではないか、と危惧します。「少々参加費が高くても大会がないので」という理由で人集めが進むと、「選手ファースト」が削られた運営に胡坐をかく大会が増えかねません。「高かろう悪かろう」がまかり通ることは、マラソン文化を細らせてしまうからです。そうなるか否か、それが下半期のマラソン界に問われていることだと感じます。