早過ぎた泉州国際の中止決定

開催5ヶ月前での決定

 2022年2月に開催予定だった「第29回KIX泉州国際市民マラソン」。開催まで5ヶ月もある中、早々と「COVID-19の状況が分からないので止めます」と白旗を上げました。ワクチン接種はその頃には所定のレベルに達する見込みの中、ここまで早々と決定を下す必要があるのか、強い疑問を覚えます。2023年大会への権利振り替えに留めるとのことで、空き枠はほぼ残らないレースになるのではないか、と考えられます。

【大会HP】第29回KIX泉州国際市民マラソンについて

大阪&丹波篠山ABCにしわ寄せか

 7月には京都マラソンも2022年大会を中止する、としています。こうなると、関西圏で残るのは2月に移された大阪マラソン、東京マラソン2022と同時開催が見込まれる「丹波篠山ABCマラソン」の2大会、更に加えるならば和歌山県の紀州口熊野マラソンの3つです。
 都市圏に限らず、市民マラソンが実績を積まずに来たことで、年を追う毎に開催へのハードルが上がり続けているのが現状です。一部には「トラックをぐるぐる回っておけ」と過激な言葉を投げ付ける者もいます。「大会は無くて当たり前、邪魔だから」との言葉に屈し、「TVの中の出来事」にしてしまうのか、「ポストコロナ」と言われる中、岐路はすぐそこです。

市民マラソンの行く末は待ったなし

 もはや都市圏の大会は「足切り厳格化」で人数を限るしか、一般とコンセンサスを得る方法はないのだろうと思います。別府大分毎日マラソンのように、フルの記録のみならず、ハーフの記録も含めて資格記録を厳格化し、出走権を与えていく必要があるのでしょう。「万人に開かれたマラソン」の時代はわずか10年余りで終わったとも言えます。
 ある程度の競技性を担保し、エンジョイランの一見さんお断り、を明確化すると批判は必至です。しかし、もはや「市民マラソンの生死」に関わる事態に悠長に構える余裕はありません。
 ランナーとしては「密を避ける」「単独練習を主とする」、「日常生活は基本的対策を徹底」として、COVID-19から身を守って備え、信頼を積み上げ続けることが肝要です。可否はランナー側の動向にも握られている以上、当面は凡事徹底で行くしかない、そう考えます。