第6波到来は既定路線なのか

「ハンマー&ダンス」と言えど

 緊急事態宣言発出から1ヶ月を経過した兵庫県も、このところ新規感染者数の下降傾向が続いています。昨日16日は301人と、前週から半減したことが神戸新聞にて報じられました。
 しかし、緊急事態宣言という「ハンマー」で叩かれ続け、もはや多くの人が心身共に疲れ切った状態になっているのは事実です。事ここに来て、「ハンマー&ダンスなのです」と政府が訴えても反感を買う以外の効果はない状況にあると思います。
 第5波で「しっかりと封じる」ぐらいの勢いまで持って行くことがやはり欠かせません。ワクチンの出回りも少しずつ進んでいる中、指標に機械的に当てはめて早期解除、となるのが再拡大への最大の脅威です。

大会が先か、再拡大が先か

 11月頃には希望者のほぼ全てに2回のCOVID-19ワクチン接種が進む、と見られている現状ですが、果たして行動制限の範囲はどう転ぶのか、情勢は見通せません。政府は10月にも行動制限緩和実験に踏み切るようですが、実績をまるで積めなかったマラソン界は世間の「忌避感」の目との戦いに発展しかねません。

 それも、「採算性」というお題目が付いてまとった結果、「1万人」「2万人」とおよそ世間の感情と相反する数字を出し続けた成れの果てです。こうなることは予見できないのでしょうか。エイドの物品を絞る、設置数も絞る、それによって少ない人数でもやれる大会にする必要があります。このままでは、「感染拡大の波から逃げ切れた大会」と「再拡大で中止に追い込まれた大会」がどうなるか、それは全て運が握る状況に変わります。

マラソン界はどう付き合うか

 コンサートはワクチン接種進展で「制限緩和」という話が出ています。しかし、マラソンをどうするのか、その他のスポーツイベントはどうするのか。政府はスポーツ庁と話し合って足並みを揃えて行かなければ、スポーツ文化の衰退を招きます。
 各大会にあっては、ワクチンが出回った際には「対策を万全に」かつ、「よほどの有事で無ければ開けるようにする人員募集方法」を練る必要があります。「ボランティアが集まらないからやらない」、という事態を固定化させ、放置したならば、その責任は重くなります。だからと言って大風呂敷を広げることは困難だ、と認識できないことも大問題です。

 第6波到来は容易に予想され、明日は我が身、という状況も変わりません。「軽症」ですら極めて厳しい病状に発展するこの病。そんな中、どう折り合って大会を実現させるかはランナー個々、そして大会の熱意が左右する時代に入ったと考えます。