村岡ダブルフルウルトラランニングの中止

COVID-19の猛威に敗れる

 昨日9/3、今年の第24回村岡ダブルフルウルトラランニングの中止が正式に決定しました。緊急事態宣言解除の見通しも立たず、開催3週前での決断が下されました。こうなることは予見されたので、驚きは少ないものですが、ギリギリまで開催を実現しようと尽力された実行委員会には敬意を表するばかりです

村岡ダブルフルウルトラランニング大会HP

 他の大会に比較して、村岡ダブルフルの姿勢は際立ちました。「当日に宣言が解除されていれば実施」とクリアにし、香美町の高いワクチン接種率も手伝って最後まで開催を模索したからです。本番の半年近く前に「無理です」と匙を投げられることは、ランナーのモチベーションを下げる以外の効果はありません。

同日に飛び込んだ「総理退陣」

 それ以上に昨日の大きなニュースだったのが、菅首相の「総裁選不出馬、首相退任意向」とのことです。
 総理就任後から、「GoTo」を押し切って実施したこと、先般のオリンピック、現在実施中のパラリンピックでは「観客を入れる」ということに固執した印象が否めません。その結果、何度も大きな感染者数増の波を作ったことには重い責任があると言わざるを得ないでしょう。 
 マラソン界も、菅総理在任中に開催出来た大会は小規模大会を除けば名古屋ウィメンズマラソンくらいしかありません。そうなったことも感染者数の低減を十分達成しないままに宣言解除に前のめりになったため、というのは論を待ちません。「ハンマー&ダンス」を徹底したかったのでしょうが、4度も宣言を出されては疲れてしまうのが偽らざる感想です。

マラソン再興へは「感染抑え込み」が先決

 マラソン界が再興するには、「徹底したレベルまで感染を抑え込む」ことが大切です。「東京で日新規感染者が500人を切れば宣言解除」、では抑え込み失敗の可能性が極めて高い状況です。同じ轍をまた踏むことは許されません。最低限東京で100人、大阪で50人まで抑え、「出たら封じ込める」が徹底出来る状況に持って行くしかありません。

 それが実現できて、ようやくマラソン再興への道筋がしっかりと開けると言えます。そして、村岡ダブルフルが示したように、「最低でも開催1ヶ月前までは判断を待つ」を一つの基準とすべきだと考えます。無理だと早々に諦められることが、大会を目指すランナーのモチベーションを容赦なく削ります。だからこそ、準備を進めていくことは不可欠ですし、「時期に泣かされる」ことのないよう、政府には対策してもらいたいと思います。