”Stay Home Ekiden”に背を向けた人へ

箱根駅伝でも後を絶たず

 今年の箱根駅伝は、「応援したいから、応援に行かない」と、自宅のテレビ・ラジオで大会を楽しむことが求められる、普段とは少し違う駅伝となりました。中継した日本テレビも時折赤テロップで「沿道での観戦はお控えください」と掲げていました。

出典:日本テレビ 箱根駅伝番組公式Twitter @hakone_ntv(12/15付ツイート)

 しかし、沿道にはやはり「人がいる」のです。明らかに「たまたまそこを歩いていただけの近所の人」という感じではなく、じっくりと選手を応援しよう、との雰囲気の人ばかりでした。選手を危険に晒したいのか、という怒りを画面越しに覚えながらの観戦でした。
 特に10区の残り1km地点である日本橋付近は、明らかに応援したいがためにそこに陣取っていると思しき人ばかりで、どれだけ要請しても背を向ける人がここまで多いのか、ということが改めて感じられました。

要請に背を向けた人へ

 こうして、ロードレースの大会で要請に背を向けて沿道に繰り出す人が多数いる、ということは、公道を用いた市民マラソン大会開催へのコンセンサスをどんどんと遠ざけていくものです。「自分さえ良ければそれで良い」との感覚でいる人が多いことで、完全にマラソン大会、という地域のイベントをも潰しかねない勢いになって行く、私はそう考えます。
 今回の大会を現地で目に焼き付けた、ということは例年のような羨望ではなく、むしろ厳しく非難されるべき行動に他ならない、ということは改めて強調すべきであると言えます。自らが取った行動について、今一度胸に手を当て、じっくりと考えて下さい、と私は言いたいです。

和歌山県のデータが示すもの

【和歌山県HP】 知事からのメッセージ 令和2年12月28日

 ここで示したのは、昨年末に和歌山県の知事室が発表した仁坂知事のメッセージです。新型コロナウイルス感染症に感染した人の中には、入院時症状が無かった場合でも、その後重症化する例が2割あったことが示されています。これを少ない、重症化したのは運が悪かっただけで、やっぱりコロナは風邪だ、などと見るのは非常に危険だと言えます。
 
 10年程前に流行したH1N1型のインフルエンザの場合は、あくまでもインフルエンザとして旧来のワクチン開発のノウハウが活用可能だったことから今回とは異なった経過をたどりました。
 今回の新型コロナウイルス感染症の場合は知見が十分でなかったり、ワクチン開発、接種を待っている状況であることからも、言えることはなかなか少ないのが現状です。専門家が探りながら知見を積み上げている物事に対して、その方面の高度な教育を受けた訳でない人間が「問題ない、大丈夫だ」と断定して動き回ることの危険性、これを改めて直視する必要がある、このように考えています。