26度目の1.17を迎えて

1.17を知らない者として

 昨年、2020年の1月17日。私は神戸市の東遊園地に足を運び、夕方5時46分の時報に合わせ、手を合わせました。

 一方、今年の午前5時46分はいつもと違う日となりました。折からの新型コロナウイルス感染症の猛威を前に、「密集を避ける」という意味も込め、前日16日の夕方から灯籠が灯され、26度目の鎮魂の時を迎えています。
 1.17の時にはこの世にまだ存在しなかった私ですが、土木の世界で勉強する者として、この日を忘れてはならない、との誓いを新たにする時でもあります。

今年の文字は「がんばろう」

 震災を経験していない世代が増えている中、2016年から1.17のつどいでは、「1.17」の形の竹灯籠に加えて、文字でメッセージが添えられています。

【1.17のつどい実行委員会HP】 実行委員長の挨拶

 今年2021年、震災から26年のメッセージは「がんばろう」。新型コロナウイルス感染症の猛威の中、このメッセージを改めて噛み締めているところです。

 そして、マラソンに注力できることも実は「当たり前」ではなく、様々な困難を乗り越えた先にあるものなのだ、と今回のコロナ禍を通じて改めて感じているところでもあります。

 走ることと同様に、神戸の街が今でこそ復興を果たして賑わっていることも一つ一つの積み上げがあってのもので、これはマラソンへの挑戦プロセスと全く同じです。
 マラソンランナーとしての私も様々なことにぶち当たり、大会という最大の目標が次々と無くなった経験から「有ること難し」を感じている今だからこそ、もう一度自分に出来ることをやっていく、これを大切に進んで行きたいと思います。