大阪国際女子マラソンのコース変更

舞台が大きく変わって

 先日、1月21日に大会組織委員会より、「今大会はヤンマースタジアム長居を発着点に、長居公園内の1周2.8kmのコースを周回する形で実施する」旨の発表がありました。

【大阪国際女子マラソン組織委発表】「第40回 大阪国際女子マラソン」 開催について

 組織委によると、公道使用コースでは沿道の交通規制により、「密集・密接」の状況を招くこと、ボランティアの安全確保面から関係機関と協議の上決断した、とのことです。
 緊急事態宣言下でも大会を守ろう、と汗をかいた関係各位の皆様には心より敬意を表したいと思います。

レースは高速化?

 今回、レース展開を左右していた大阪城公園周辺のアップダウンを含め、坂道がほぼ全て無くなります。加えて川内優輝選手、岩田勇治選手ほか6名の男子選手がレースを引っ張る展開であることから、大記録を狙っていく展開となることも予想されます。
(出典:大阪国際女子マラソン大会HP コースガイド
https://www.osaka-marathon.jp/course/)

 私自身、好奇心から陸連公認コースを調べることは事あるごとにやりましたが、その際「長居公園周回コースは公認あり」ということを確認していました。しかし、このコースのフルマラソン公認は「ヤンマーフィールド長居発着」となっていました。
 ビッグレースの発着点にヤンマースタジアムではなく、こちらを使うとは思えなかったのでどうなるか、と思いましたが、組織委員会は短期間でコース公認、WAのコース認証を得たようです。これも元々周回コースがフル・30km公認コースとして設定されていたことも大きいのではないか、と思います。

川内選手の指摘と市民マラソン

 その一方、今大会参加者には大会前のPCR検査が義務付けられるとのこと。これについて、川内選手が今後の市民マラソンへの影響を懸念されていて、私もその点には大きく頷けます。
 PCR検査は、感染者の濃厚接触者と認められなければ、公費負担は下りません。マラソン参加のために公費を拠出してくれる訳もないので、自費検査となりますが、それにはエントリー料を上回る負担がのしかかることになります。
 つまり、大阪国際女子マラソンが示した「PCRなくして大会参加不可」、は陸連の意向が見えるのではないか、と思うのは疑い過ぎでしょうか。これを暗に示している間は大会開催どころの話ではないと思います。

 一方、陸上に興味のない層は、「大会即刻中止」と主張する人がいるなど、マラソン大会への逆風は想像以上に強いことが分かります。この声は尖った主張であり、氷山の一角に思うので、実際はもっと多くの声なき声があることも想定されます。果たして今後の大会がどうなるか、私も全く予想が付きません。