緊急事態宣言とビッグレース

 7府県に宣言発出

 昨夜、政府は京都、大阪、兵庫の関西3府県、愛知、岐阜の東海2県と福岡、栃木の計7府県を対象とした緊急事態宣言を出しました。
 個人的な感想としては「年末のGoTo中止の時点で出せばまた違った展開だった」と思います。政府の分科会は極めて苦しい判断を強いられて今ここに宣言発出となった訳ですが、責任者である行政の長が尻込みを続けたことについては厳しく検証される必要があるでしょう。

大阪国際女子マラソンは開催へ

 そんな中、大阪国際女子マラソンは当初の予定通りに開催される見込みで、HPの更新情報も昨年末時点で止まっていて「中止」が一言も出てきていません。これ自体は大いに歓迎すべきことだと思います。
出典:大阪国際女子マラソンHP 更新情報 - Update
https://www.osaka-marathon.jp/update/

 既に報道各社も「徹底対策を講じた上で開催する」との記事をリリースし、着々と準備を整えているようです。今回は夏のオリンピックが実際にあるかどうかは不透明と言えますが、MGCを制した前田選手、名古屋で最後の代表枠を勝ち取った一山選手を始め、有力ランナーが揃うことから、レースを見る立場としてもどういう結末を迎えるか、非常に楽しみなところです。

 そして、もう一つ気になっているのが、「Stay Home Ekiden」が結果的に失敗した中、「自宅のTVやライブ配信で楽しんで」との呼びかけで人はどう動くか、ということです。
 今回と三が日の駅伝の違いは「緊急事態宣言下であるかどうか」。これで中盤のポイントである心斎橋~淀屋橋にかけての御堂筋沿いで人が減るのか、あるいは箱根のフィニッシュ・東京大手町の二の舞となってしまうのか、注視したいと思います。

市民マラソン開催は遠のく

 他方、市民マラソンの開催は緊急事態宣言の中でさらに苦境に立たされたと言えるでしょう。防府読売マラソンは実質的な県内限定開催を無事に終えましたが、同じ方式で続く大会はほとんど現れていません。

 多少競技性を指向してでも、県内のランナーにレースを開放する、ということが試されないのは、市民マラソンが「不要不急」な存在であるからなのでしょうか。
 「走って下さい、でも大会は危ないからやめて下さい」を暗に言い続けることは、ランナーのモチベーションをことごとく下げます。ここはスポーツ庁として「大会は不要不急とは言えない」との強いメッセージが必要ではないでしょうか。(もちろん対策徹底は大前提です)

 スポーツ庁のアナウンスメントは確実に報道に乗ります。マラソンや陸上全般がエリートだけのものに留まってしまうことは、生涯スポーツの観点から大きなマイナスです。これは健康を司る厚生労働行政にもゆくゆくは跳ね返る恐れもあることから、メッセージ発出の検討をさらに加速してもらいたい、と考えています。