市民ランナーの舞台は復活するか

東京と愛知・西尾で決行

 今日3月6日は都合1年延期された東京マラソン2021の開催日です。同時に、愛知県西尾市では「にしおマラソン2022」も開かれました。COVID-19禍での開催はあまりに多くの労苦を伴うものであり、大会関係者各位の尽力は最大級の賛辞を贈らなければなりません。
 しかし、同時期の大会は年明けすぐからの感染急拡大でほとんどが中止に追い込まれた現状は変わりません。改めて、市民ランナーがスタートラインに立つことさえ難しいことを物語っています。「予定通り開催します」の言葉を噛み締めたランナーも少なくないことと思います。

「市民参加型」への忌避感

 一方、COVID-19禍の最中に開催することへの否定的見解は少なくありません。特にやり玉に挙がるのが「交通規制」です。これはCOVID-19の存在に関わらず声としてありましたが、「感染拡大を助長するイベントのためにやるなどけしからん」との声が2020年以後大きくなったように思います。
 このような意見を「雑音」とみなすことが果たして良いのかは判断が分かれるところでしょう。ランナーの立場からすれば開催を強力に進めてもらいたいですが、その都合だけで世界が回る訳ではないことが難しいところです。

「くじ引き」でも「先着順」でもない方法を

 交通規制の長さが問題となるならば、大都市圏の大会は「資格記録制」にすることも一考でしょう。力がありながら、これまで都市型大会の0次関門で涙を呑み続けたランナーは少なくありません。
 書類選考と共に、予選会の位置付けに当たる「Road to 大阪マラソン」のような大会で参加資格へアタックする場があって良いと思います。トラック競技のみならず、ロードレースの活性化なくしてマラソン界の裾野は広がりません。「サブ4をクリアすれば大阪マラソンに出られる」といったモチベーションがあれば、自ずとそこを目指すチャレンジが意味を持ちます。

 まずは「予定通り」を目指すための道のりが続きます。感染症を正しく恐れる態度を忘れないこと、これは走る舞台を整える第一歩になると考えています。私自身、これを忘れずに過ごしたいと思います。