大会中止ラッシュ、7か月続いて思うこと

 おはようございます。
 9月もあと1週間で終わりを迎える季節になりましたが、未だに新型コロナウイルスの影響は色濃く、マラソン大会の開催の目処はほとんど立っていないのが現状です。 大会の中止が続々と発表され始めたのが2月22日、23日の週。そこから7か月が経ってしまいました。あれから状況悪化は続き、来年春まで公認の大会開催は絶望的な状況に追い込まれ続けています。

 日本では、多くのマラソンが自治体が主催となって行われています。そのため、開催してクラスターが発生した場合、自治体の責任問題となり、全国から激しい批判が寄せられる展開が容易に予想されます。
 2月23日、岡山県総社市で行われる予定だった「そうじゃ吉備路マラソン」。市長は当初「開催する」と表明していましたが、そこに集まったのが猛烈なバッシングです。感染拡大にピリピリしていた頃でしたが、この動きが、各地の大会関係者を「今やれば二度と出来なくなる」の恐怖に陥れたのではないでしょうか。それが「知恵を絞るよりリスクの芽は全て摘む」という中止ラッシュの今に至っていると思います。

 マラソン、というより市民ランナーのランニングは「好きでやっていること」とされる以上、トップが「感染者を責めないで」などと言ったところで、「リスクが高いのになぜ強行したんだ」との主張が全面的に広がって猛バッシングされる気がしてなりません。
 名誉職のようなものとはいえ、大会会長は大体その市町村長が就くケースが多く、そのような事態が発生した場合、自らの政治生命に影響する、という想像が働くのは難しくはないでしょう。結果、「君子危うきに近寄らず」となるのも理解出来ないことではありません。

 そんな中、アールビーズスポーツ財団が「フルマラソンを走らないまま2020年を終えられない」とのスローガンで立ち上げたのが、「トライアルマラソンシリーズ」です。ハーフマラソン・フルマラソン両種目を各地で分散開催するもので、8月末、札幌・モエレ沼公園で行われたハーフマラソンの大会を皮切りに全国でスタートしました。
 ハーフマラソンの全国ランキングは今年は編成されない予定ですが、フルマラソンは「トライアルマラソンシリーズ」も対象に含めてランキング編成をする、と公式にリリースされています。

 8月末のモエレ沼のレースは、UHB(北海道文化放送)がニュースとして取り上げました。(再生出来ない方はこちら

 大会では、密を避けるため、ウェーブスタートの導入や給水をミニボトルで提供する、そして水際作戦として会場入り口で検温実施、などなど様々な対策が取られました。これらの策は今後の範となり得るものだと思います。
 一方、コースを周囲と共有するため、9月の豊平川トライアルマラソンで痛ましい事故も発生してしまいました。
 とはいえ、自治体が開催する大会は相当安全側に見て「大事を取る」方向に進んでしまうことから、これからの大会はアールビーズスポーツ財団のような財団主催、あるいは自治体との共催を視野に入れ、自治体に掛かるリスクを軽減させなければ、マラソンの明日は無いと考えます。

 スポーツジャーナリストの増田明美さんも、NHKのインタビューで、「リスクはなくならないので感染症対策を徹底して”ウィズコロナ”で共存しながら大会を運営していくことが大切です」とし、工夫をこらして開催する「攻め」の姿勢が大切だ、と訴えています。(記事

 決してランナーにとって楽ではない今の状況ですが、ここで眉をひそめられる行動を取ってしまえば、再開の合意形成が進まず、再開時期にも影響しかねないと思うので、その辺りは私も注意して日常生活、ランニングライフを送りたいと思います。