恐れていた事態が現実に

 おはようございます。
 9月22日、札幌・豊平川河川敷を利用して、トライアルマラソンシリーズのフルマラソン部門第1弾となる、「札幌・豊平川Trial Marathon」が開かれました。
 しかし、そこで痛ましい事故が発生してしまいました。

出典:NHK NEWS WEB「ランナーが衝突 高齢の女性けが」(2020/9/25 閲覧)
(https://www3.nhk.or.jp/sapporo-news/20200922/7000025001.html)

 大会規模が大きくなく、交通規制なし、歩行者・自転車とコースを共有する状態であるがゆえに起きてしまった、とも言えます。

 この事故は、新型コロナウイルス感染症拡大防止にリソースを割いて、運営側の手が安全確保に回し切れていなかったことも原因の一つでしょうし、ランナー側の注意が十分でなかったことも同時に挙げられるでしょう。
 しかし、このタイミングで事故が発生したことにより、「ランナーのエゴのせいで市民は迷惑している、だからマラソン大会を中止せよ」の声がさらに大きくなってしまうのではないか、ということを強く懸念しています。
 河川敷や公園の周回路を利用し、コースを他の利用者と共用する場合、どうしても事故のリスクをゼロ化することは出来ません。そうなると、後はランナーサイドが如何に周囲の状況に気を払えるか、という点が一番の課題になります。コースの安全確保を我々が主催者側に全部お願いする、というような考えではいけない、と強く実感します。

 市民ランナーの端くれの私も、レース後半の苦しい状況下で今回と同じような状況になった時、十分な回避行動を取れるか、ということは断定しがたいです。しかし、襟を正しつつ、自身と周囲の安全に十二分に留意して走ることを常に心掛けて平時から過ごしたいと思います。
 今回、ケガを負われた方にお見舞い申し上げ、早期の回復を祈念すると共に、運営側の方々におかれても、二度と痛ましい出来事が無いよう、引き続き尽力をお願いしたいと思います。そして、私も大会開催の感謝の気持ちを忘れることなく、改めて臨んでまいります。
 今回の件は十分な検証を待つと共に、再発防止に向けた危機管理対策が必要ですが、今回のことを理由にした理不尽な大会中止要求にはランナーの一人として、断固反対です。