かすみがうらマラソンの中止を踏まえて

かすみがうらマラソンも中止に


 先日、4月18日開催予定だった「第31回かすみがうらマラソン」の中止が発表されました。この大会は別府大分毎日マラソン同様、ブラインドマラソンの大会でもあることから、こちらはパラ競技者のために開くか、と思いましたが、それも中止になりました。
出典:かすみがうらマラソン【公式】Twitter
https://twitter.com/kasumigaura2019/status/1357494846248738816

満たせなかった「2つの基準」

 今回、大会実行委が判断の根拠に挙げたのが2つの基準でした。
  1. 政府/茨城県/開催自治体(土浦市)のイベント開催指針を満たせていないこと
  2. 日本陸連策定の「ロードレース再開のガイダンス」にある開催の前提条件を満たせていないこと
 概ね各都道府県で同一の基準が示され、屋外であれば「5000人以下、かつフィジカルディスタンスは2m確保する」という基準が示されています。今回のかすみがうらマラソンも募集時点で前年の出場権利を有する人のエントリー・2021年大会新規エントリー者でこの人数をオーバーすることから、基準をクリアできませんでした。

 そして、陸連が設定したガイダンスに沿うと、感染者、感染疑い者発生時の医療体制確保と、「新型コロナウイルス感染症対策室」の設置(医師・保健師の常駐)が求められています。
 緊急事態宣言下でも関係各局の了解が得られていれば開催可、とされますが、場合によってPCR検査の受検も必要、との立場を明確にしています。

【日本陸連HP】「ロードレース再開についてのガイダンス」策定について

地方の大会の苦境を考えたか?

 今回のかすみがうらマラソンでは、そもそも定員基準を満足出来ていなかったことも理由の一つとなるでしょう。そして、陸連のガイダンスは医師・保健師と大会役員からなる対策室設置と緊急時の医療機関でのランナー受け入れ態勢を整えよ、とあることから、地方の大会はなおさら苦しい状況に追い込まれることは明らかに思われます。

 そして、公認・非公認問わず、「感染症対策の総合ガイドライン」として格上げされ、常にこのような態勢を整えることが求められると、伝統ある大会の開催が危ぶまれる状況に陥るものと考えられます。
 COVID-19ワクチンの供給遅れも指摘され、平常に近付くのは早くとも年をまたぐのでは、と考えています。その際、大会の収支悪化が深刻となり、大会の廃止があることは地域にとっても望ましいものではありません。
 まずは感染症を抑え込み、「徹底した感染症対策と健康管理」で大会開催が叶う状況に持って行くこと、これが全国各地のロードレースを守ることにゆくゆくは繋がっていくと考えています。