「3.14」の名古屋が左右する

名古屋ウィメンズ、縮小開催へ

 3月14日9時10分スタート予定の「名古屋ウィメンズマラソン2021」は、当初1万人を超える規模で開く予定でしたが、愛知県・岐阜県への緊急事態宣言発出など、現下の情勢に沿い、オンラインマラソンへの変更希望を受け付け、約5000人がスタートラインに立つ予定です。

【名古屋ウィメンズマラソンHP】名古屋ウィメンズマラソン2021の開催について

【名古屋シティマラソンHP】名古屋シティマラソン2021の開催について

 無事に大会を終え、その後最低でも2週間、COVID-19の感染者がゼロであった、となれば、後に続くマラソン大会(特に大都市マラソン)にとっては吉報となることと思います。
 同時開催のハーフマラソン「名古屋シティマラソン2021」と合わせてつつがなく大会が終了してくれることをまずは祈るばかりです。

他都市のマラソンがここに続けるか

 今回の大会は緊急事態宣言発出を受け、急遽オンライン切り替えを出場者に求める事態となりましたが、今後は「最初から『リアル&オンライン』の両者募集」ということもあるのではないでしょうか。
 東京は感染拡大の第1波と重なったことから、2021年大会への出走権振替が発生していて、新規募集は止まりそうですが、2020年大会がそもそも出来なかった大阪は来年2月にびわ湖の代替として動く予定です。その際、「オンラインで幅広募集」して記念品贈呈まで踏み込みつつ、名古屋と同じ規模で実大会を開いていくのかが注目です。

 COVID-19に限らず、ワクチンに「絶対」はないのと、日本に住む人にあまねく供給されるまでのスケジュールが見通せない以上、万単位の人を参加させるレースに出来るかは微妙と言えます。

地方の大会は基準厳格化を

 逆に地方都市の大会は基準の厳格化を図って実大会の参加者を絞ることも想定する必要があるように思います。

 オンライン大会のプラットフォームを用意出来ればベストですが、ベターな選択肢として、「地方単位」「資格タイム引き上げ」があると言えます。エイドの削減で提供物量を減らすことと、大会のエントリー料の参加者減少分の値上げはやむなしですが、そうやって安心して走れる大会が出来れば、一つの答えとして定着するのではないか、と思います。

襟を正して舞台を整える

 そして、これは私の心の持ちようですが、一般の非ランナーの人々を敵に回してはいけない、ということを常に心に留めています。ランニング人口は少なくないといえ、全国を見回しても少数派であることは揺るぎがありません。そんな中、ランナーがCOVID-19を軽視したり、反自粛を盛んに叫んだりすることはあってはいけません。それはスタートラインを遠ざけるばかりだと考えています。

 私も練習時はマスクをしませんが、時間帯としては人がほとんどいない早朝に実施しています。リスクを避けるのもありますが、社会の方向性や科学的知見に明確に背く態度とならないよう、注意を施す意味もあります。
 専門家(政府分科会や各都道府県の会議)には敬意を示し、その言葉を一度落とし込んで飲み込むこと、それがランナーに必要な態度であろう、と考えます。