ローカル化なきマラソン大会の行方

大規模募集が繰り返した悲劇

 2022年が始まったと共に急速に再拡大したCOVID-19。マラソン大会は金沢マラソン、富山マラソンから見えたと思った復活の兆しが再びしぼんでいる現状です。別府大分毎日マラソンは何とか開催決行となりましたが、エリートと大分県民限定の約500人規模に変わりました。
 別大マラソンはエリートレースの流れを汲み、「制限時間3時間半」と今も高いレベルでの出場資格を求める大会です。このおかげで元から4000人規模だったこと、地元からの参戦が多くはなかったことが大会を守れた一番の要因だったように思います。

【別府大分毎日マラソン大会は規模を縮小します】(1/21付大会リリース)

「規模縮小」への忌避感

 最近の状況を見ると、居住地が県内か否かで「OK/NG」の判断を下すことへの忌避感が大会側に強いのではないかと思えてならないのが現状です。しかし、感染症の危機はCOVID-19が去ってもまた訪れかねません。
 「All or nothing」で全員横並びの「中止」は確かに手っ取り早いことです。しかし、「規模を絞って開く」への忌避を続けていては、いずれマラソンは先細りします。長距離移動を伴ってリスクが上がることを警戒するならば、地元枠を幾分確保して、それ以外は「欠場&翌年振替」といった条件付き参加でも構わないと言えます。地元枠のインセンティブを高めることは、広くランナーを募る上では欠かせないことであると思います。

感染症への警戒を解いてはいけない

 しかし、マラソン大会を走りたい気持ちが先走って、「COVID-19は風邪だ」などと警戒を緩めることはやってはいけないことです。あくまでも警戒心を持ち、日常生活で基本的な対策を徹底することを怠れば、世間の理解を失います。もちろん、開催されて欲しいと思う気持ちは私も高く持っています。その気持ちを実現し、大会で走れるように整えられるかは個々の動きにもかかっています。そこを胸に留めて練習を続けるのみです。